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シンポジウム「あたたかい医療と言葉の力」

 コミュニケーションの向上は、よりよい診断・診療・看護を進める上で欠くこのできないものです。医療現場で「言葉の力」はどのような役割を果し、また期待されているのでしょうか。千代田区・一橋記念講堂(学術総合センター内)でシンポジウムを開催、451名が参加しました。医療側と患者側の双方から医療コミュニケーションの現状と将来のあり方について、それぞれの立場からお話いただきました。

[主催 文字・活字文化推進機構、朝日新聞社]

 パネラーは唐澤祥人氏(日本医師会会長)、大久保満男氏(日本歯科医師会会長)、児玉孝氏(日本薬剤師会会長)、に加え、岸本葉子氏(エッセイスト)の四人。稲葉一人氏(中京大学法科大学院教授)が司会を務めました。医療現場のコミュニケーションの現状と今後の課題について、医療側と患者の立場から掘り下げた討論が行われました。
 また、各登壇者より「おすすめの本」が紹介されました。大久保氏『生と死への眼差し』(村上陽一郎、青土社)、『臨床とことば』(河合隼雄、鷲田清一、TBSブリタニカ)、『妻と僕―寓話と化す我らの死―』(西部邁、飛鳥新社)、『言葉とは何か』(丸山圭三郎、夏目書房)、『科学革命の構造』(トーマス・クーン、みすず書房)。児玉氏『二十一世紀に生きる君たちへ』(司馬遼太郎著、世界文化社)。岸本氏『意味への意志』(V・E・フランクル、春秋社刊)。稲葉氏『「待つ」ということ』(鷲田清一、角川選書)。

当シンポジウムの内容は朝日新聞11月5日朝刊「天声人語」、同11月25日朝刊15面に掲載されました。